FUTABA Art District

OVER ALLsが双葉町に絵を描く理由。
それは復興を支援したいとか、被災地の方に頼まれたからとか、そういったものではありません。

今までやってきた双葉町の壁画は、アート集団OVER ALLsが壁画アートの力を証明したくてやっているものです。

原発事故により双葉町は人口がゼロになりました。

いろいろなものがゼロになりました。
 
そんな土地では従来型の町おこしは通用しない。
まずは心の火を灯すことからしないといけない。

そしてアートが一番力を発揮する場面の一つは、人の心に火を灯すこと。

アートの力を証明するならここだ!そんな思いから双葉町に壁画を描かせて欲しいと、双葉町の元住民の方にお願いしたのが始まりです。
 
最初はパトロール中の警察官に職質されたり、誹謗中傷されたりもありました。
ただ徐々に双葉町の元住民の方々のご協力も増えていき、

気付けば8点もの壁画が双葉町に。
 
そして今、心に火が灯った方々が、具体的な復興に向けて動き出しました。
 
アートの力がほんの少しだけ証明されたはず。
 
僕たちの役割は一旦終わり。今回は第一章のフィナーレ。
 
2020年夏頃のまだ「怪しい奴らが来たな」と思われていた段階では提案出来なかった、双葉町の元住民の人たちの笑顔をたくさん描きたい、壁画で先行して人が戻ってきた双葉町の未来を表現しよう!というもの。
 
アートは人の心に火を灯し、未来に導く力がある。
アートの力、ご刮目くださいませ。
 
 

2022年3月
株式会社OVER ALLs
代表取締役社長 赤澤岳人
 
 

Vol.0 / 狼煙・Graph Balcony

Vol.1 / HERE WE GO

Vol.2 / ファーストペンギン

Vol.3 / FUTABA

Vol.4 / BACK TO THE FUTABA

Vol.5 / HERE WE ARE~ヨイショ!~

Vol.6 / だるまさんがすすんだッ

Vol.7 / 常〜NOrMAl〜

Vol.8 / HUMAN POWER !!!

 
 
 
 

そして2023年、第2章がスタート。
終幕したプロジェクトが
再始動した理由。

 
 
2023年10月のこと。
双葉町から感謝状を送りたいとの連絡を頂きました。
FUTABA Art Districtが双葉町を訪れる人を増やして貢献してくれているからと。
 
ただ、そんなありがたい話に対して山本と2人、感謝状は辞退すべきなのではないかと悩みました。
FUTABA Art District(双葉アートディストリクト)は完全に僕たちOVER ALLsのエゴでスタートしていたからです。
WOWの力を証明したい、日本でアートディストリクトをやりたい、というアーティストとしてのエゴです。
そのエゴに、双葉町出身の髙崎丈さんと意気投合したのを良いことに巻き込んでしまい、
さらには丈さんの後輩の松永直人さんや役場の方々も個人的に協力というか共謀というか共闘してくださって、今まで8箇所12作品の壁画を描いてきました。
 
エゴから始まったプロジェクトだから、決して町から感謝を頂戴出来るようなピュアな気持ちでやってきたわけではなかったんです。
ある意味、アーティストとしてはピュアな気持ちからやってきました。

だからすごく悩みました。
感謝状を頂くことは辞退すべきなんじゃないかと。
 
でも考え方を変えました。
 
このFUTABA Art Districtはさっきも言った通り多くの人の支えで成り立っている。
もう僕たちだけのものじゃない。
そしてその僕たちのエゴに乗っかってきてくれた人たちは間違いなく「双葉町のために」やっている。
 
一方で僕はというと、双葉町に壁画を描くのに「復興のために」と言えばわかりやすかっただろうけど、縁もゆかりもない僕がそれを言うのは嘘になる。
だからアーティストのエゴとしてやっている、と言い続けてきた。
それは本心からそうだった。
 
でも今はどうだ?

双葉町に多くの友人が出来て。
隣町の浪江にも他人とは思えない友人がいて。
さらには浪江町の町長さんの家に遊びに行ってご飯をご馳走になったり相馬野馬追でも陣地に入らせてもらったりの関係だ。
また奇跡のような話なんだけど、たまたま僕たちが東京で一番深い関係を持たせてもらっているフレンチレストランのオーナーとシェフが浪江町で食分野のプロジェクトをしていたり。
 
気付いたんだよ。
もう縁もゆかりもあるじゃないか。
 
だから今の僕は胸を張って言いたい。
FUTABA Art Districtは双葉や浪江の友人たちのためにやったと。
彼らの復興の一助になれば。
彼らの地元や愛する気持ちのWOW!を壁画にして掲げたいと。
そしてそれを作り上げたWOW!のパワーを見てくれと。
そんな考え方の変化もあって、せっかくお声をかけていただいてるのであればと感謝状をしっかりと賜って参りました。
 
ただ、アーティストたるもの、呼んでいただいたらタダでは帰らん!ということで描いてきました。
第9弾となる今回のミューラルは…
双葉と言えばダルマ!ダルマといえば七転び八起き!
題して「NANAKOROBI-YEAH-WOW-KEY!」です。

僕たちOVER ALLsも8年目。
7年間、転がってきて、今年は確かに起き上がりそうな気配!
 
というわけで双葉町で13作品目の壁画は「双葉町図書館」に描きました。
是非またご覧くださいませ。
またふらっと里帰りの際に、描きに行きたいと思っています。

Vol.9 / NANAKOROBI YEAH-WOW-KEY!

Vol.10 / HOME "LAN"