OVER ALLsが双葉町に絵を描く理由。
それは復興を支援したいとか、被災地の方に頼まれたからとか、そういったものではありません。
今までやってきた双葉町の壁画は、アート集団OVER ALLsが壁画アートの力を証明したくてやっているものです。
原発事故により双葉町は人口がゼロになりました。
いろいろなものがゼロになりました。
そんな土地では従来型の町おこしは通用しない。
まずは心の火を灯すことからしないといけない。
そしてアートが一番力を発揮する場面の一つは、人の心に火を灯すこと。
アートの力を証明するならここだ!そんな思いから双葉町に壁画を描かせて欲しいと、双葉町の元住民の方にお願いしたのが始まりです。
最初はパトロール中の警察官に職質されたり、誹謗中傷されたりもありました。
ただ徐々に双葉町の元住民の方々のご協力も増えていき、
気付けば8点もの壁画が双葉町に。
そして今、心に火が灯った方々が、具体的な復興に向けて動き出しました。
アートの力がほんの少しだけ証明されたはず。
僕たちの役割は一旦終わり。今回は第一章のフィナーレ。
2020年夏頃のまだ「怪しい奴らが来たな」と思われていた段階では提案出来なかった、双葉町の元住民の人たちの笑顔をたくさん描きたい、壁画で先行して人が戻ってきた双葉町の未来を表現しよう!というもの。
アートは人の心に火を灯し、未来に導く力がある。
アートの力、ご刮目くださいませ。
株式会社OVER ALLs
代表取締役社長 赤澤岳人
代表取締役社長 赤澤岳人


本プロジェクトは、株式会社OVER ALLsを主幹とする
実行委員会を中心に活動している民間の取り組みです。
アートの力で人々の心に火を灯す。
そんな思いから双葉町に壁画を描かせて欲しいと、
双葉町の元住民の方にお願いしたのが始まりです。
双葉にアートを入れるのは僕たちのエゴ。
だから、現場は持ち出しでプロジェクトを行ってきました。
▼FUTABA Art District実行委員会

はじまりは、赤澤と高崎丈さんの出会い。
代表・赤澤が偶然訪れた東京都世田谷区太子堂の「JOE'SMAN2号」。
店主の高崎丈さんは、東日本大震災以前、
地元である福島県双葉町で「JOE'SMAN」を経営していました。
(だから、東京のお店は「2号」なのです)
原発事故の影響で帰還困難区域に指定されていた双葉町では、
2020年3月、一部地域で避難指示が解除。
かねてより、赤澤は
「日本でも、“ART DISTRICT”を実現させたい!」
という想いを掲げていました。
▼Art District (アート・ディストリクト) とは…
工場地帯や倉庫街のエリアを、アーティストに貸し出すことで、
フォトジェニックなスポットに変化させ、
街の価値が上がった海外(ロサンゼルス)のエリア
赤澤と、丈さんの偶然の出会いから、
OVER ALLsは会社をあげて
「FUTABA Art District」というプロジェクトに取り組むことを決意。
地元の方を巻き込みながら、
双葉町をアートだらけにする取り組みが始まりました。

最後の除染活動だ
いったい駅前に壁画を描いてなにになるんだ?
私たちがやろうとしていること。
まずは駅前に壁画を増やす。
すでに7つの壁画を制作し、この街を訪れる人も増えてきた。
大量に人を呼び込む。
双葉駅前を人でパンパンにする。
お店を開店するときのレセプションパーティと同じだ。
永年人が住まなくなり、どこか弛んでいた土地、いじけた土地に喝をいれる。
これが最後の除染活動だと思っている。
ただし、アートにできることはそこまで。
そこから先は、双葉町の人たち次第だ。

HOWではなくWOW!の復興
3.11の原発事故で帰還困難区域に指定された双葉町。
今年ようやく人が入れるように なった。
10年も放置された町。
当時の住民は避難先で生活基盤を築いており、
戻って 住もうという人はすぐには現れない。
人がいなくなった町をどのように復興するか、
正直なところ手詰まりで、いわば「HOW」が行き詰まった町。
そこで「WOW!」 の出番である。
駅前に残っている建物の壁という壁に壁画を描こう、
という企画を地 元出身者に持ちかけ実行している。
壁画を描いて何になる?という考えはノンノン、
とにかく10年ぶりに地元に帰った双葉町の人々に
「WOW!」と思わせるのだ。
考えるのはそれからでいい。
この取組みは「情熱大陸」に取り上げられ、
全国紙の一面を飾り、双葉町出身者の
間で話題になり帰郷のきっかけにもなっている。
「WOW!」から何かが生まれ始めている。
