パーパスをアートにする。

ミッション、ビジョン、バリュー、スローガン、パーパス…。
今、企業の社会的意義や存在価値といったものを明文化する動きが加速している。
でも、例えば同じパーパスだって、
部門が異なれば、集う人が異なれば、そこからイメージするものは違って当然。
表現したいことだって変わってくる。
 
さあアートの出番だ。

1つのスローガンから生まれた、15の表現。

 
 
 
 

CASE :
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

設立    1993年4月
事業内容 コンサルティングサービス等
本社    東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング


社会課題の解決と新産業の創造によって
クライアント、そして社会全体を支援し続ける日本を代表するコンサルティングファーム、
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、DTC)。
 
あらゆる組織・機能・セクターに対応したサービスによって
提言と戦略立案から実行まで一貫して支援している。
 
そんなDTCでは2021年に新たなコーポレートスローガンが掲げられた。
 
Lead the way
明日への道をともに拓く。
 
しかし、時はコロナ禍。
リモートワークが中心となるなかで、この新たなスローガンを社内に浸透させていくのは
今までよりも難しいかもしれない。
そんなときにOVER ALLsに声をかけていただき、プロジェクトがスタートした。

 

Lead the way アートプロジェクト

 

 
社内にある15の部門。
それぞれの部門が思う「Lead the way」をアートに描くプロジェクト。
各部門からは10〜20人がコアメンバーとして参加。
彼らは自部門における会議やアンケート等で意見を広く意見を集めながら、
2〜3ヶ月の期間をかけて今回のプロジェクトに取り組んだ。
 
 

1, 一人ひとりが表現者になる

 

初回はまず各メンバーに
「人生や仕事を通じて大事にしていること」を絵に描いてもらった。
 
普段あまり面と向かって表現することは少ない、心に秘めた想い。パーソナルな部分。
それらを描く。そして互いに共有し合う。
絵を描くという行為は、その一つひとつが意思決定そのもの。
 
キャンバスの向き。筆の種類。色。線の強弱。角度。
何一つ、誰かに指示されることはない。
 
自分で考え、自分を信じ、選んでいく。
 
意思決定の連続を通じて、自らの思いや考えが明確になっていく。
一人ひとりが表現者になっていく。
 
そんな土壌を作るところからスタートした。
 
 
 
 

2, 自分たちにとっての「Lead the way」

 
 
2回目のセッションでは、各メンバーへのヒアリングとディスカッションを実施。
 
「自部門にとっての『Lead the way』とは何か」。
その問いに対し、はじめのうちは
「多様性」「地道さ」「お客様と寄り添う」などの答えが返ってきた。
 
もちろん、それらは各部門が本当に大切にしていることではあるものの、
ある意味、「正解」を狙ったような回答にも感じられ、
どの部門も似たり寄ったりになっている。
 
もっとメンバー一人ひとりの心の深い部分、WOWを引き出したい。
 
そんなときに赤澤から
「じゃあ、擬音で例えたらどんな感じですか?」と問いかけると、
「ワクワク」「メラメラ」「ギラギラ」「ガヤガヤ」といった答えが出てきた。
 
部門による個性の違いがようやく見えてきた瞬間だった。
 
3回目以降は、前回までの議論を踏まえて OVER ALLsが作成した
4〜5枚のラフスケッチを見ながら さらにディスカッションを重ね、
ラフをブラッシュアップしていく。
そうして完成した各部門のラフ案をもとに、
山本勇気が一つひとつキャンバスに絵を描いていった。
 
 
 
 

3, 15通りの「Lead the way」が完成

 

 
 
たった一つのスローガンから生まれた、15通りのアート作品。
完成した絵画は、それぞれの部門のメンバーが多く集まるオフィスに展示され、
Zoomの背景などにも活用されている。
 
 
変化の激しい時代に正解は無い。
従来型のトップダウンの手法では、パーパスやスローガンといった類のものは
なかなか腹落ちしにくい。
 
 
どうすれば社員一人ひとりがパーパスを「自分事化」できるか。
どうすればチームの一体感を醸成し、自部門への愛や誇りを持つことができるか。
DTCはそれらの課題に対し、愚直に、真摯に向き合った。
じっくりと時間をかけて、メンバーの心を解きほぐしながら取り組んだ。
 
 
同じパーパスであっても、部門が異なれば、集う人が異なれば、
そこからイメージするものは違って当然。表現したいことだって変わってくる。
一人ひとりが表現者になり、互いの価値観を共有し合いながら
まさに自分たちの手で作り上げたアートだ。
 

 

Credits

 
Client:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
Paint Support:カラーワークス神戸(株式会社モリエン)
撮影:奥田晃介(松鹿舎)
Artist :OVER ALLs